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税務調査の事前準備 |
2006年11月8日 00時00分 |
以下に書くことは、税務調査の連絡があってから準備するのでは遅いのです。決算の時点までに税務調査に耐えられるような準備が必要なのだ、ということに留意してください。
(税務調査の始まり)
税務署職員が行う一般的な税務調査は、任意調査ですが、調査を受ける側には調査に協力する義務があります。従って、日程調整等は可能ですが、調査拒否をするわけにもいきません。税務調査はこのような性格ですので、出来れば事前に日程調整して、営業への影響を出来るだけ少なくしたいのですが、事前連絡が無い場合もあります。事前連絡の無い場合は、収入のほとんどが現金であるご商売の場合、過去の税務調査における経歴が悪い場合など、ありのままの姿を確認する必要がある場合です。
(事業収入)
金銭出納帳には日々の現金の出入り(銀行からの引き出しや、預け入れを含めすべての動き)が記載されていて、毎日の残高が記載されていることが必要です。現金売上の多いご商売で、この現金出納帳の記載がいい加減な場合、税務調査では致命的となります。税務署が現金売上の漏れを指摘した場合に、有効な反論が出来きない恐れがあります。金銭出納帳が充分でないと青色申告が取り消される可能性もありますので、金銭出納帳の作成はとても重要であるということを充分認識していただきたいものです。その他、収入金額を裏付ける書類として、契約書(印紙の貼付確認)、請求書、領収書控え、レジペーパーの控え、見積書、日報、取引先名簿などが確認されます。このような書類で、当然あるべき書類が無い場合や、一部が無い場合、一部が破いてある場合には、徹底的に調べられることになります。書損は決して破らないでください。書損が分かるようにして必ず残してください。見積書の見積り流れも、破らずにその旨記載して残してください。
(人件費)
一人別源泉徴収簿や賃金台帳、扶養控除申告書(源泉徴収税額表の甲欄適用者については扶養家族の有無にかかわらず全員の分が必要です)、タイムカード、出勤簿が確認されますので、整然と保管してください。この他人件費に関して、旅費・出張規程、退職所得の受給に関する申告書、役員の場合には役員報酬や役員退職金を定めた議事録が確認されます。その他、給食費、夜食代、大入り袋、慰安旅行、渡し切り交際費などの確認が調査の項目としてあげられますので、処理が適正か確認が必要です。
(資産)
見積書、契約書、納品書が整然とそろっているでしょうか。仕入業者や外注業者から購入した固定資産が仕入代金や外注費に混入してないでしょうか。
(その他の経費)
カード明細は消費税の税額控除要件であるインボイスには当たらないので、購入時の領収書が必要です。コンサル、口利き、謝礼に関して、ちゃんと契約書を交わし、請求書・領収書を作っていますか。なければ交際費や寄付金等として経費処理の一部、場合によっては全部が否認される恐れがあります。講師謝金、デザイナー、弁理士などの報酬・料金の源泉徴収事務は適正に行われているでしょうか。在庫表は、実際に棚卸しをしたときの原票も一緒に保管してください。原票には日付、時間、担当者氏名を記入していれば完璧です。法人・個人の調査では印紙税の調査が合わせて行われますので、契約書などに収入印紙が貼付されているかもう一度確認してください。
(相続税の調査)
葬式費用に見合う現金が、相続開始時には自宅にあったのではないでしょうか。家族名義の預金だけれど、実際には被相続人の財産であるものは? 郵便貯金や簡易保険は特に注意が必要です。自宅金庫や貸金庫は常に整理整頓しておきましょう。貸金庫はいつ利用したか記録が残りますので、調査の連絡後に開けると怪しまれますよ。
2006.11.08
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コメント(1) / トラックバック(0)|税務一般|
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投稿者: 未承認 |
2016/11/23 05:01 |
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管理人による承認待ちです。 |
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