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スティーブ・ジョブズの伝記
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2012年1月7日 16時27分
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アップルコンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズの伝記を読みました。あまりにもベストセラーになっているので、今更読む気にもなれないと思っていたのですが、手に取ってみると面白そうなので、やはり読んでみることにしました。どこが面白いかって、従来の伝記とは違い、スティーブ・ジョブズの悪口がいっぱい書かれているところです。なんかとんでもない人だったようですね。マッキントッシュ(通称Mac)というコンピューターを開発した、神様のような人だと思っていたのですが、知らなかったことが沢山あります。
ここでは詳しいことは紹介しませんが、いま読んだところまでで、企業経営に経営に役立ちそうなところを紹介します。 アップルコンピュータ創業当時のスティーブ・ジョブズの仲間に、マイク・マークラーという人がいます。この人がアップルのマーケティング哲学という文章を残しています。
1、共感「アップルは、他の企業より顧客のニーズを深く理解する」
2、焦点「やると決めたことを上手に行う為には、重要度の低い物事はすべて切らなければならない」
3、印象「会社や製品が発する様々な信号が、その評価を形作る」
アップルの製品、コンピュータのMacやiPhone, iPad, iPodをお使いになったことはあるでしょうか。アップルの製品はユーザーが勝手に設定を変えることはほとんどできず、不親切なほどに機能が限定されています。しかし、他のメーカーの製品に盛りだくさんに用意されている機能は、殆ど使われない機能です。アップルの製品はユーザーの使い勝手をとことん追及して、最も使い勝手の良い方法に機能が限定されていることに気づかされます。一方、他社製品のパッケージは開封後に捨ててしまいますが、アップル製品が梱包されていたパッケージは残っています。製品その物のデザインはもちろんのこと、箱のデザインから綺麗なのです。 スティーブ・ジョブズはマイク・マークラーの経営哲学を忠実に実行しました。その実現のために、常に優秀な人材の活用をしています。Macがマウスを用いてコンピュータを操作する方法も他人のアイデアです。アップルのロゴももちろんデザイナーが作っています。アップルではエンジニアとデザイナーが協力して製品のコンセプトに磨きをかけるのです。
私は以前から、日本のメーカーではデザイナーの地位が低く、活用がうまくできていないのではないかとう気がしていました。もちろんデザイナーもピン・キリですが、優秀なデザイナーを育成し、上手に活用することが、これからの日本の産業にとって最重要課題だと考えています。新興国と価格競争をしている場合ではないのです。
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