出川洋税理士行政書士事務所(奈良県香芝市)

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近畿税理士会葛城支部会員 税理士 出川 洋
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ドラッカー『マネジメント』を読んで
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というタイトルの本がベストセラーになっています。この本もなかなか面白いのですが、今回紹介するのは、その女子マネージャーが読んだ本家の「マネジメント」の方です。私が読んだのはエッセンシャル版ですが、さらにそのエッセンスを紹介します。私が理解した範囲で要約していますので、「その読み方違うよっ」ていうこともあるでしょうがご了承を。
(^_^;)

■企業とは何か
 ドラッカーは最初に「企業=営利組織ではない」といいます。企業は社会の機関であり、その目的は顧客と市場を創造することです。社会に存在する潜在的な欲求を有効需要にかえることが企業の社会的な役割であり、有効需要となってはじめて顧客と市場が形成されるのです。企業が求める利益は、それが目的ではなく社会にとって必要不可欠なものであるに過ぎません。利益と社会貢献は矛盾するものではなく、企業が高い利益をあげることによって、初めて社会貢献を果たすことができるのです。

■自社の事業は何か
 本書の中で、リーダーが考えるべきことは「自社の事業は何か、何であるべきか」である、という話が何度も出てきます。リーダーが組織を運営していく過程で、「何を行い、何を行わないか」、「何を続け、何を止めるか」の意思決定が強いられます。この判断をするためには「われわれの事業は何か、何であるべきか」を定義する必要があります。ただしわかりきった答えが正しいことはほとんどないとドラッカーはいいます。企業の挫折や失敗は、企業の目的としての事業が充分に検討されていないことが原因なのです。
 「われわれの事業は何か、何であるべきか」を考える出発点は顧客です。しかしこれもわかりきった答えが正しいことはほとんどなく、「顧客は誰か」との問いこそここの企業の使命を定義するのです。
 各企業、様々な業種が様々に顧客があり、事業の目的が異なりますが、同じ業種であっても企業ごとに事業の目的と顧客が異なるのではないでしょうか。いちどじっくりと顧客とは誰か、事業の目的が何かを考えてみていただきたいと思います。私もこの点を考えているところです。
 また「われわれの事業は何になるべきか」の観点も重要である、とドラッカーはいいます。『消費者の欲求のうち、「今日の財やサービスで満たされていない欲求は何か」を問わなければならない。この問いを発し、かつ正しく答える能力を持つことが、波に乗るだけの企業と成長企業との差になる』。

■実行に移す
 「われわれの事業は何であるか、何になるのか、何であるべきか」を検討するのは知識を得るためではない。行動するためであるとドラッカーはいいます。行動の第一歩は望むことではなく戦略的な計画を立てることです。戦略的な計画は、思考、分析、創造、判断により計画されますが、その手法が重要なのではなくて、その意思決定に責任を持つ覚悟から始まります。戦略的な計画とはリスクを冒すことであり、得るべき成果と比較して冒すべきリスクが必ずあるのです。
 リスクを冒すこととは、何かをすることとは限りません。何かを止める場合もあります。「もし今日これを行っていなかったとしても、改めて行おうとするか」を問い、答えがNOであるなら「それではいかにして一日も早く止めるか」を問わなければならないとドラッカーはいいます。そして行動するかしないかは、いずれかに決めなければならないものであって、妥協したり二股をかけたりしてはならないのです。

■プロフェッショナルの倫理
 顧客をもてなすためにコールガールを雇うことは倫理の問題ではなく美意識の問題です。このような企業の品位、人間としての美意識は倫理以前の前提の問題です。ここで取り扱うプロフェッショナルの倫理は古代ギリシャの医師ヒポクラテスの誓いにある「知りながら害をなすな」です。プロフェッショナルは、顧客に対して必ずよい結果をもたらすことを約束することはできません。最善を尽くすことしかできません。しかし知りながら害をなすことはしないと約束しなければならないという意味です。また、プロフェッショナルは顧客に支配、監督、指揮されてはならず、私的な利害ではなく公的な利害に基づいて自立していなければならないとドラッカーはいいます。専門家を職業とする私たちは、この点を充分考えないといけません。

■リーダーに必要な資質
 リーダーに必要な資質は「真摯さ」です。ドラッカーはいいます。「うまくいっている組織には、必ず一人は、手にとって助けようともせず、人づき合いもよくないボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりも尊敬を集める。一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない」。
 真摯さに欠くこととは@部下の強みより弱みに目を向けることA何が正しいかより誰が正しいかに目を向けることB真摯さより頭のよさに目を向けることC部下に脅威を感じることD自らに高い基準をもうけないこと、である。これらの要素を持つ者はリーダーにふさわしくない。

■企業トップの役割
企業トップの役割を四つあげておきます。@事業の目的を考えることA組織全体の規範を考えることB組織をつくり維持することC渉外の役割D重大な危機に際して、自ら出動すること。

■仕事の目標
 三人の石切り工の話が紹介されています。ここは興味深く読みました。
 三人の石切り工が何をしているのかを聞かれて、それぞれが「暮らしをたてている」「最高の石切りの仕事をしている」「教会をたてている」と答えた。どの石切り工が自分の仕事を理解しているのでしょうか。
 最初の男の答えは仕事で何を得ようとしているかの答えです。その仕事が石切りである必要はありません。しかし最も警戒すべきは二番目の男です。彼の場合、技能自体が目的となってしまっています。このような者は企業にとって危険なのです。最初の男は企業にとって利益にはならなくても、その扱い方によっては損にもなりません。しかし二番目の男は企業に損害を与える可能性があります。第三の男こそ仕事の目標を理解している者でなのです。リーダーは仕事の目標を明確にする責務がありますが、誤って第二の男を褒めたり、その技能を強調したりすると企業を間違った方向に導くことになります。

■小規模企業のマネジメント
 産業分野に応じて、小企業、中企業、大企業に応じた分野があります。常に企業規模の拡大が正しいとは限りません。しかし小企業は企業の限界的な存在とされる危険は常にあるのです。したがって小企業には際立った存在となるための戦略が必要です。ニッチを見つけなければならないのです。
 小企業は成果と業績に関係の無い分野のスタッフを抱えてはなりません。意味の無い製品や市場に資源を投入してはなりません。これらを賄うために売上を増やそうとする方法は成功しません。最も成功の可能性のある戦略は、事業の売却、切捨て、縮小です。可能なときには常に採用すべき戦略といえます。

■企業の成長
 成長には準備が必要です。いつ機会が訪れるかは予測できないのですから、常に準備しておかなければ機会は去ってしまいます。成長の準備について、特に次の三つを行っておかなければならないとドラッカーはいいます。@基本活動を明らかにし、それらの活動に取り組むべきトップマネジメント・チームを編成する。A変化のときを知るために、方針と行動の変化を要求する兆候に注意する。B心底変化を望んでいるか正直に判断する。
 そしてドラッカーはいいます。「成長が必要であるとの結論に達しながら、自らの行動を欲していないことを自覚するにいたったトップにできることは一つしかない。身を引くことである」。

 
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