ちょっと昔話をひとつ
僕が親父の事務所を手伝いだしたのを機に、うちの事務所にもコンピュータがやってきた。NECのN5200という16ビットのコンピュータだ。
8ビットのホビー用のパソコンが出だした頃で、16ビットのオフコンはかなり高かったんだと思う。
このコンピュータで動くランプランという表計算ソフトが優れものだった。当時は減価償却を手書きで計算していたので、ただひたすら減価償却費の計算だけをする事務員さんがいたぐらいだ。
減価償却ソフトはまだ市販されていなくって、僕がこの表計算ソフトで最初に作ったのは減価償却の計算表。
ただし、このコンピュータはメモリ増設後でも、やっと256kバイトしかなくって、作業用の空きメモリがほとんどない。
一度に減価償却資産を10個ほどしか計算できない。しかし、このランプランにはカタログ機能といって、一定の操作コマンド実行の順番を登録することができたのだ。今でいうマクロだね。
一回に10個の資産しか計算できなくても、計算結果を集計表に順次コピーして100件の資産の償却だってできた。さらにその集計表の階層を重ねることによって1000件の資産の減価償却だってできた。
時間はかかったけど。手書きでするよりもよっぽど早く、追加、削除の修正後も綺麗に印刷できるし、計算違いや償却限度超過も無くなった。
なんだか今では当たり前ですけれどね。