現金を管理しなければならない訳

法人企業の場合はもちろん、個人企業の場合でも、集金した売上代金はあなただけのものじゃない。

仕入先の取り分も、従業員の取り分も、税金としての国などの取り分もある。

集金した売上代金は、一旦あなたがいろんな人を代表して預かったお金だ。だから企業のお金を使うときには、必ず記録を残さないといけない。経営者としての最低限のマナーだ。

経営者自身が帳簿をつけなくても、帳簿をつけてくれる従業員を雇って、経営者は小遣いをその従業員からもらい、経費の支払いを全てその従業員に任せてもいい。

ただし、この場合には、その従業員の責任は重大だし不正を生む土壌にもなりかねない。経営者が小遣いから支出したものは、一切経費にしないという覚悟も必要だ。だって、あなたには記録ができないのだから。

やはり経営者でいたいなら、お金の管理ができなければダメだ。自分は技術畑の人間だから、経営は苦手だというのは、面倒な事務作業から逃げたい口実に過ぎない。

言っておくが、事務作業が面倒なのは誰でも同じ。税理士は事務作業が好きなわけでも得意なわけでもない。税理士は事務作業を丸投げする相手ではない。記録がなければ、僕たちの知識やスキルは役に立たない。

2016年02月05日